スタッドレスタイヤを夏場に履きつぶし目的で使用している方はどれくらいいるでしょうか?
冬用タイヤとしての使用限度を超えてしまって、使い道のなくなってしまったスタッドレスタイヤを
「もったいないから」と夏場に通常のタイヤとして使用してしまうことを「スタッドレスタイヤの履きつぶし」と呼びます。
スタッドレスタイヤの履きつぶしは危険ですが、意外にも多くの人がやってしまいがちです。
今回はスタッドレスタイヤの履きつぶしの危険性についてご紹介させていただきます。
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夏場のスタッドレスタイヤはなぜ危険なのか?

スタッドレスタイヤの履きつぶしが危険な理由はいくつかありますが
一番に挙げられる理由としては、「制動距離が伸びてしまう」ということでしょう。
スタッドレスタイヤは、マイナス20℃でも硬くならない特殊なゴムを使用しており
スリットよりも細かいサイプという深い溝が数多く入っているため
雪を取り込んで抵抗にする構造で、氷雪路面での性能を発揮しています。
そのため、乾燥路面では接地面積が少なくなり制動距離が伸びてしまい
濡れた路面では、サイプが水をため込んでしまい「ハイドロプレーニング現象」が起きやすくなってしまいます。
では、実際にサマータイヤとスタッドレスタイヤの制動距離の違いを画像で見てみましょう。

このように、サマータイヤとスタッドレスタイヤを比較すると
乾燥路面では1.3倍、濡れた路面では1.86倍も制動距離が伸びてしまいます。
また、柔らかい素材を使用していることから
夏場の熱された路面では、タイヤが柔らかくなりすぎて歪んでしまい
曲がった道でカーブ操作をした際に、ふらついてしまうこともあります。
夏場とは書きましたが、春や秋の涼しい時期でも制動距離が伸びてしまい危険です。
使えなくなってしまったスタッドレスタイヤは潔く手放して
サマータイヤへと交換することをおすすめします。
まとめ
スタッドレスタイヤの履きつぶしをされている方は、
現時点では、危険だと思ったことはないかもしれませんが
急を要する場面で、制動距離が約2倍も伸びてしまうことは
大きな事故の原因となってしまいます。
歩行者の安全、同乗者の安全を守るためにも
環境ごとに適したタイヤで、安全運転を行ってください。
最後までご覧いただきまして誠にありがとうございました。
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