今でもタクシーなどの業務用の車では使用されている「LPG自動車」。
人によっては聞いたことすらないなんて方もいるんではないでしょうか。
実は、現在タクシーに使用されている車両の8~9割程度が
LPG自動車を使用しています。
今回は、LPG自動車とはどういう車なのか?
説明させていただきます。
Contents
LPG自動車(LPガス自動車)って何?
LPG自動車は、燃料としてLPガスを使用する自動車です。
LPガス自動車、プロパン車、LPG車などと呼ばれます。
基本的な構造としては、ガソリン車と変わりはありませんが
燃料タンクや、燃料と空気を混合する装置が大きく異なります。
化石燃料を使用している自動車としてはクリーンな燃料で
ガソリン車よりも約1割、CO2の排出量が少ないです。
出力やトルクなどの面ではガソリン車に劣りますが
実用性を損なうほど劣っているわけではありません。
なぜLPG自動車は普及しないのか?
最初にも書いたとおり、知らない人が多いLPG自動車ですが
クリーンな燃料として使われ始めたのに
なぜなかなか知られていないのでしょうか?
その理由をいくつか見ていきましょう。
LPガスを充填できるスタンドが少ない
これは、現在でも燃料電池車(水素自動車)がなかなか普及しないのと似ていますね。
水素スタンドの設置されている場所が少ないため、
一般向けの販売がされず、よって普及しない。という感じです。
定期的な点検や、タンクの交換が必要で大変
ガソリン車であれば、車検時や12ヶ月点検などで
同時に点検する程度で、漏れなどがなければそこまで気にするものではありません。
しかし、LPガス自動車の場合はタンクを交換する必要があったりと
メンテナンスにおいて大変なことが多いです。
そのため一般向けに普及しなかったとされます。
ガスタンクがトランク内のスペースを大きく圧迫するため
画像を見てもらえばわかるように
かなりのスペースを占有してしまうため
トランクに大きな荷物を乗せられなくなります。
これは乗用車として使うには、なかなか難しいものですよね。
これらの要素を踏まえて、そこまでのメリットが無い
クリーンな燃料として使い始めたものの
技術の進歩によって、ガソリン車やクリーンディーゼル車の燃費が
LPG自動車と同程度の燃費となってきたため、
わざわざLPG自動車のためにスタンドなどの設備投資をしてまで
普及させる必要がないと判断されたのでしょう。
燃費や環境性能の高い電気自動車や水素自動車は
専用スタンドが全国的に多くなってきているのがいい証拠ですね。
そして、日産自動車は2014年、トヨタ自動車は2017年で
LPガスのみを燃料とした自動車の生産を停止しました。
自動車を使用する側としても、メンテナンスにお金がかかるのに
燃費がそこまで変わらないとなると、
ガソリン車から切り替えるメリットがないので
普及しなかったのは当然の流れと言えますね。
まとめ
LPガスを使用して走るLPG自動車ですが
初めて聞いたという方も多かったでしょうか?
自動車メーカーが生産を停止したことによって
きっとこれからどんどん忘れられていくものだと思いますが
こんな自動車があったんだなぁと
記憶に残しておくのも大切なのかもしれません。
これも多くの人たちが日々研究して開発した
人類の自動車の歴史のひとつなのです。
最後までご覧頂きましてありがとうございました。
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